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ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン再開についての論考  及川 馨

矢印38 3月4日
 3月に入ってから予防接種後に死亡する事例が連続して発生した。厚労省は接種の中止を報道機関へのプレス・リリースという形でだした。日脳中止の時は自治体の勧奨を中止するという形で接種も可能という含みを持たせていた。今回は通知ではない。
 中止した理由は接種後の死亡である。死亡原因を特定することは不可能である。剖検の結果で死亡原因は特定できてもワクチン接種との因果関係は見いだせない。100%の完全肯定も100%の完全否定もできないグレーゾーンにあるものに無理やり白黒つけることは本来不可能である。
 またワクチン自体は国家による検定済である。(今回は更に再検されて特に問題となることもなかった。)
 初めからこのように死亡原因の特定が困難なことは予想できるので、再開するには何を根拠にするのかが不透明である。

矢印38 3月25日
 3月24日厚労省で開催された医薬品等安全対策部会安全対策調査会子宮頚がん等ワクチン予防接種後副反応検討会という検討会において、結局はワクチン自体には問題が無いこと、また世界中で実施されている同時接種に関しても問題が無いこと、日本において年間150人ほど原因の特定できない乳児死亡が毎年あることなどが報告された。
 ワクチンを接種していた子と接種していなかった子の間に原因不明の死亡例の差はなかったことも報告された。
 また検討会に参加した小児科医は心臓疾患などの持病をもつ子に対しては積極的に接種をして重病の髄膜炎などから守ってあげるべきと主張した。

矢印38 4月6日
 接種再開にあたり、同時接種は積極的に推進すべきという方針から、単独で接種することも考慮すべきであり、基礎疾患(重症の心臓疾患など)のある子への接種も慎重にすべきとの注文がついた。本来このような子にはまともな医師であれば十分すぎるほどの慎重さでもって接種にあたるので、なぜこの様な注文がつけられたのかは理解に苦しむ。
 日本の予防接種体制が先進国の中で20年以上遅れを取っていることは近年国内で問題視されてきた。接種可能なワクチンが先進国中では最も少ないこと、世界の常識である同時接種には消極的なこと、新しいワクチンの承認に時間がかかりすぎること、公平で専門的な第3者による予防接種諮問委員会の体制が出来ていないことなど多くの問題を抱えている。
 先進国では接種後の健康被害に関しては基金を作って補償したり、死亡例が出たからとしてその原因を第3者機関が検討することも無しにいきなり中止したりすることなどはあり得ない。同時接種は当然実施すべきものと考えられているし、基礎疾患を持つ子を社会的に守ってあげるために接種は当然とされている。予防接種で予防できる病気は可能なかぎり守るべきという方向性があれば、今回の様な中止は無かったはずだと思う。

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