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龍馬雑感    及川 馨  2010年2月

 今年の大河ドラマは「龍馬伝」である。龍馬は時代を超えて多くの人から愛される。弱虫で、大きくなってもオネショをして、朝起きても顔は洗わない、何かにつけ無頓着で、とにかく日常生活ではこだわりがない。封建社会の中で自由とか平等とかを認識し、時代を先取りした。倒幕に活躍した多くの人材の中で、倒幕後の社会をどうするかを考えたのは龍馬の他にはいなかった。皆、幕府を如何にして倒すかばかりで未来像が描けなかった。
 
 彼の周囲には当時の第一級ともいえる人物が次々と登場する。
 吉田東洋、山内容堂、徳川慶喜の3人について共通するものは、皆当時のトップレベルの教養の持ち主。しかも自らは天才と思いこみ、身分の低いものは虫けらの如く蔑視する。  
 東洋は進歩的な思想を持ちながら身分の低い土佐勤皇党を大弾圧した反動で暗殺される。
 容堂は幕末の四賢侯の一人として評価される一方で、当時の志士達からは、幕末の時流に上手く乗ろうとした態度を、「酔えば勤皇、覚めれば佐幕」と揶揄された。容堂の建白書は大政奉還のきっかけとなったが、酒乱と時代錯誤からは脱却できなかった。
 徳川慶喜は名将軍と言われた半面、朝令暮改の気まぐれと、鳥羽伏見の敗戦では部下を見捨てて逃亡し、誠意なしとみなされ幕府を崩壊させた。
 また村田蔵六、後の大村益次郎は軍略のスペシャリスト。彼は神がかりとでもいえる作戦で長州征伐を撃退したし、戊辰戦争で彰義隊を1日で鎮圧した。一方、全く他人の思惑など無視してかかったため、恨みを買って明治2年暗殺された。他人を思いやる心があれば日清日露戦争でも大活躍したかもしれない。
 
 海外では性能のよいライフル銃などが開発されていたのに、黒船騒ぎで鎧兜に刀や槍を買い求める士族が殺到した。黒船が持参した米国の進んだ文明の産物のなかで、最も日本人の注目を集めたのは小さい汽車だったという。「円を描いた軌道を走ると役人の一人は屋根に飛び乗って、汽車が速度を上げると不安げにしがみついた」とペルリは日本遠征記に記している。横浜の庶民は熱狂的にmade in USAの製品に飛びついた。徹底的に見て回り、何でも触れ、書ききれないほどのメモを取った。日本人の好奇心の強さを幕府は理解せず、海外事情をことごとく隠そうとした。日本人の順応性を見損なった幕府は古い殻から抜け出せずに歴史を閉じることとなった。大英帝国では2-3割しか字が読めなかったのに、日本は寺子屋教育で文盲は少なく当時の教育先進国だった。
 
 龍馬暗殺で誰が下手人かは未だに謎になっているが、最も疑わしくないはずの人物が実は黒幕だったという大胆な仮説もある。その黒幕は西郷隆盛。武力討幕に最も煙たいのが龍馬であり、彼の口封じをしなければ倒幕は成功しなかったためだとか。龍馬が時代を先取りしすぎたことが33歳という早世に結びついた。

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